3.昌原(チャンウォン)市の保健所訪問
 昌原(チャンウォン)市保健所には、歯科医師2名、歯科衛生士常勤4名、非常勤12名が勤務しています。保健所の歯科衛生士で、大山(テサン)浄水場の水道水フロリデーション実施に中心的に活動し、韓国で初めて歯科衛生士で係長になられた王歯科衛生士が保健所の事業について紹介されました。

王歯科衛生士のプレゼン

韓国で初めて歯科衛生士で係長に
保健所の歯科保健活動は、
 ①学校の歯科保健事業、
 ②保健所での予防処置、
 ③水道水のフッ化物濃度測定、
 ④フッ素の啓発事業が実施されています。
 韓国では日本の学校歯科医というシステムはなく、保健所の歯科医師、歯科衛生士が保健所管轄の全ての小学校に年1回訪問し、1-3年生の児童に対し、歯科健診、シーラント、フッ化物歯面塗布事業を実施しています。また、養護学校では、齲蝕のリスクが高いことから月1回訪問し、フッ化物歯面塗布事業を実施しています。そのため、韓国の児童はシーラントの実施率が50%近くと日本と比較して非常に高いです。

学校でシーラント事業
 保健所内には、歯科ユニットが1台あり、そこでも、歯科健診、シーラント、フッ化物歯面塗布を実施し、希望者にはフッ化物洗口液も配布しています。

保健所の歯科ユニット

フッ化物洗口液の無料配布
 水道水のフッ化物濃度測定は、月1回浄水場から送られた水道水サンプルの濃度を測定し、水道水サンプルに測定した濃度結果を記入後、釜山国立大学に送っています。フッ素の啓発事業では、水道水フロリデーションの情報を、バスの動画広告や、ロッテ映画館のCMを利用して地域住民に提供しています。

保健所でもフッ化物添加装置のモニター管理と水道水のフッ化物濃度測定を実施
 以上のように、韓国の保健所は、地域住民への歯科保健活動がとても充実していることがわかりました。ただ、近年に法律が変わり、開業歯科医が小学校の健診を担当するようにもなり、また、保険で6歳臼歯のみ保険が適用され(韓国では補綴、予防処置は保険が適用されません)、開業歯科医院での予防処置が増えているとのことです。昌原(チャンウォン)市保健所も、以前は市内小学校全45ヶ所1‐3年生に歯科保健事業を実施していましたが、現在では12ヶ所1‐6年生まで減少しています。111
昼食懇親会
 昼食懇親会では、昌原(チャンウォン)市の市議会員が参加していただきました。その市議会員は、水道水フロリデーションを提議し、中心的な役割を果たした人です。

昌原(チャンウォン)市の市議会員で乾杯

韓国グルメ、サムゲタン

1、2.水道水フロリデーションが実施されている浄水場見学はこちらをクリック


4.釜山国立大学歯学部訪問および歯学部長との懇親会はこちらをクリック

5.釜山市のフッ化物事情はこちらをクリック
水道水フロリデーション
水道水フロリデーション