水道水フロリデーション
水道水フロリデーション

CDC

Community Water Fluoridation

 

CDC Statement on the 2006 National Research Council (NRC) Report

on Fluoride in Drinking Water

 

 

CDCは、適切な給水システム地域に居住する住民にとって、齲蝕予防のために安全、有効で、経済的な方法として、地域の水道水フロリデーションを推奨しています。私たちが自らの健康のために摂取する数多くのビタミンやミネラルと同様に、フッ化物は適量に摂取するべきです。水中のフッ化物の安全性と有効性に関する現在までの包括的なレビューは、水道水フロリデーションが安全で、効果的であると結論づけています。フッ化物は、極微量に、多くの水に天然の形で存在しており、米国の公共水系において17千万人以上の人々が齲蝕予防のために至適レベル(0.71.2 ppm)に調整された水の恩恵を受けています。

 

(米国の)幾つかの水系では、至適濃度よりもかなり高いレベルの天然由来のフッ化物濃度が存在しています。2006322日に公表された米国研究評議会(NRC)によるFluoride in Drinking Water: A Scientific Review of EPAs Standardsという最近の報告書では、飲料水中に安全な最高のフッ化物濃度を記載しています。この報告書は、天然由来の高いレベルでの飲料水中フッ化物の安全性について記されていますが、齲蝕予防のための低レベルのフッ化物使用については問題に取り上げていません。

 

この最新の報告書は、フッ化物を含む飲料水中の全ての規制汚染物質について、権限を有する政府機関である米国環境保護局(EPA)によって、通常的にかつ定期的に見直す部分として求められました。議会権限での使命の一部分として、国民の健康を守るためにEPAは安全な飲料水の基準を設定しています。飲料水は、多くのミネラルや化合物、また微生物を含有する可能性があり、その中の幾つかの項目は、EPAの規制下で汚染物とみなされるものがあります。現在、Safe Drinking Water Act(米国安全飲料水法)には96種の汚染物が規制されています;なお、フッ化物は天然由来のミネラルに含まれます。

 

フッ化物のレビューの目的は、小児やその他の人々の健康を守るために、飲料水中に最大限許容されるフッ化物濃度について、EPAにより設定された現在のガイドラインの適正を決定することでした。NRCの委員会は、現在の飲料水中の4ppmというEPAの第一次上限濃度目標値(MCLG)が、天然の高いフッ化物濃度に関連する健康リスクから国民を守るため、(そのMCLGを)低く設定すべきであることを見出しました。この報告書は、MCLGの適切な水準を決定するために、リスクアセスメントについてEPAが更新するように勧告しました。

NRCの委員会は、飲料水中のフッ化物に関連した可能性のある多くの健康への影響を評価しました。NRCは、飲料水中の高濃度フッ化物の規制基準を改訂する際に、生後から8歳までに高濃度のフッ化物暴露で発現する重度の歯のフッ素症、骨折リスクの可能性、それに一生を通じて高濃度フッ化物を摂取した場合に生じる重度な骨のフッ素症の3つの有害性について結論づけました。

 

この報告書は、2mg/ppm)以上の天然の高濃度フッ化物地域で居住する住民にとって重要です。米国人口の約0.5 %はこの(2ppmFの)地域に居住しています。また、約22万人のアメリカ人が、4mg/あるいはそれ以上のフッ化物濃度の給水を公共水系から受けているとEPAは推定しています。この委員会では、1ppmの水を飲用する人々に比べ、一生涯にわたり高いフッ化物濃度を飲用すれば骨折のリスクを高める可能性があると結論づけました。さらに、米国の140万人は、天然由来の2.03.9 mg/のレンジのフッ化物濃度給水を飲用しています。この委員会では、2mg/を上回るフッ化物レベルの水は8歳未満児にエナメル質の着色や小凹窩のある重度の歯のフッ素症のリスクを高めることを認めました。2mg/を上回る地域では、8歳未満児の親と保護者は子どもに低いフッ化物濃度の飲料水を与えるようにとCDCは推奨しています。2mg/ppm)未満のレベルでは、重度の歯のフッ素症の発現は極めて低い(ほとんどゼロに近い)ことを認めました。

 

NRC報告書の所見は、水道水フロリデーションに用いるフッ化物濃度レベル(0.71.2 ppmF)が安全で、健康であるというCDCのアセスメントと(矛盾がなく)首尾一貫しています。CDCは、さらに継続して最新の科学的な文献をレビューし、積極的に国家施策である水道水フロリデーションの質的な保証プログラムを堅持します。CDCは、フッ化物研究を、また公衆施策への効果を推進します。齲蝕予防手段としての水道水フロリデーションが、安全でかつ効果的であるというCDCの勧告は存続しています。水道水フロリデーションは、現在実施のフロリデーション地域で(今後も)継続され、かつフロリデーション未実施の地域では拡大されるべきです。

 

CDCは既に、中等度ならびに重度の歯のフッ素症を防ぐための幾つかのステップを勧告しています。それらの勧告は、2001817日のMMWRレポート:Recommendations for Using Fluoride to Prevent and Control Dental Caries in the United States(米国における齲蝕予防とコントロールのためのフッ化物予防の勧告)で示され、http://www.cdc.gov/OralHealth/waterfluoridation/guidelines/index.htm.でも見ることができます。さらに、第一次飲用水源が2mg/を上回る天然水であれば、8歳未満の子どもたちのために代替水源の使用について、以下を含めて勧告しています。

・2歳未満児のフッ化物配合歯磨剤の使用については専門家のアドバイスを受けること

・6歳未満児のフッ化物配合歯磨剤の使用はpea-sized(えんどう豆の1粒大)の量を用い、監視下で歯磨きすること

・フッ化物サプリメント(錠、液)の処方をきちんと行うこと

・フッ化物洗口を適切に行うこと

 

飲料水のフッ化物濃度をお知りになりたい消費者は、地方の水道設備、あるいは地方、郡、州の保健部に尋ねることができます。現在では、32の州がCDCウェブサイトのMy Waters Fluorideを通じて、公共利用できる水系に関する情報を提供しています。

 

 

Dated last reviewed: September 26, 2007

Dated last updated: August 9, 2007

Content source: Division of Oral Health, National Center for Chronic Disease Prevention and Health


日経サイエンスの記事に関する解説はこちらをクリック
下記の日本語訳をダウンロードしたい方はこちらをクリック